-E.1027-
南仏、ロクブリュヌ=カップ=マルタンの海辺に立つ、
≪E1027≫ と名づけられた別荘。
孤高のデザイナーと言われる≪アイリーン・グレイ≫の作品であるとともに、
近代建築の父と呼ばれる ル・コルビュジェ が唯一激しく嫉妬した建物である。
「住宅は住むための機械である」と言うコルビュジェに異を唱え、住まう人の個性に
寄り添うという姿勢で≪アイリーン・グレイ≫は周囲から好意的にみられていたという。
あまりの嫉妬心故か、この建物が完成した直後、
コルビュジェは許可なく、壁に女性のヌードなどの壁画を
大量に描いたらしい。
不思議なことに晩年のコルビュジェは≪E1027≫の近くに小さな小屋を建て終の棲家とし、
その13年後≪E1027≫のすぐ下の海で溺れて命を落としたという。
–物の価値は、創造の込められた愛の深さで決まる— アイリーングレイ
住む人の個性に寄り添うという姿勢が大切だと思う。